KELKの機器開発部では、熱電素子の技術を用いた各種機器を開発・製造しています。そのなかでも、半導体の製造工程で利用される温度制御機器は、高いシェアを誇る主力製品です。こうした高度な技術を用いた製品はどのような人によって生み出されているのでしょうか。機器開発部機械設計グループで主任技師を務める小栁(こやなぎ)考平さんに、これまでのキャリアやKELKに入社した理由、仕事に込める熱い思いなどについて聞きました。
KELKは私にとって3社目の勤務先です。前職の自動車部品メーカーでは、トランスミッション用ベアリングの設計、開発、技術提案などを担当し、7年間ほど勤めたのち、2020年10月にKELKに入社しました。
「家族との時間を確保したい」というのが一番の理由でしたね。当時、私は2人目の子どもが生まれたばかりで、子育てに手がかかるにも関わらず、仕事でも多忙を極めていました。妻との共働きということもあり、当時の働き方のままでは子育てに必要な時間が確保できないと感じたのが、転職を決めたきっかけでした。
転職活動の際には「must」と「want」の二軸の要件を定義し、転職先を検討しました。mustは「家族との時間が確保できること」「前職程度の給与を維持できること」。そして、wantは「前職の経験を活かせること」「社会貢献度が高いこと」「技術者として成長できること」でした。
これらのすべての要件を満たしていたのがKELKだったんです。特に、半導体製造装置に強みを持っていたのが魅力的でした。私は当時、半導体業界にそれほど詳しくありませんでしたが、それでも半導体の需要が急速に高まっていることは知っていました。
何より、半導体は私たちの生活に不可欠です。そんな製品に関わる仕事なら社会に貢献している実感が得られるでしょうし、活況な市場のなかで技術者としても成長できるのではないかと思いました。
また、最初に挙げた要件ではありませんが、KELKがある湘南工場のロケーションがよかったことも、入社理由のひとつでした。自宅から自動車で向かう途中、相模湾沿いの道を通るんです。面接で本社に向かう最中に、海沿いの風景を眺めながら「この会社に入ったら、ここが通勤ルートになるのか!」とワクワクしたのを覚えています。
半導体製造におけるリソグラフィ工程で用いられるホットプレートの開発設計と、量産保守を担当しています。 リソグラフィ工程とは、シリコンウェハに感光性物質(フォトレジスト)を塗布し、 露光、現像して、マスクパターンを形成する工程のことです。nm(ナノメートル)単位の超微細なマスクパターンをウェハ上に形成します。 このときに、ウェハの面内温度を均一に保たなければ、熱膨張などの影響により、 形成されるパターンに誤差が生じてしまいます。
KELK製ホットプレートは、主にレジスト定着のための露光前の熱処理(ベーク)にて、100分の1°C単位で温度をコントロールし、ウェハの面内温度を均一に保つ、重要な役割を担っています。
現在はチームリーダーとして、お客様から仕様変更を依頼されたときの開発業務や、歩留まり率(原料の全体量から得られた製品生産数の比率のこと)向上に向けた品質改善プロジェクトを担当しています。
基本的には他部門と連携しながら進めています。日々の生産状況や歩留まり率を生産部や生産技術部との定例ミーティングで共有し、品質低下などの課題が認められた際には改善に向けて動き出すという流れです。 普段は同じ建屋のなかにある事務所と実験室を行き来し、事務所で設計業務やミーティングなどを、実験室で実験やデータの計測などを行なっています。
また、KELKではリモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟に働ける制度が設けられているので、社外で仕事をすることもあります。私の場合、下の子どもがよく体調を崩すので、月2回ほどは自宅でリモートワークしています。機器開発部は全員にノートパソコンが貸与されているので、持ち出しなどの複雑な手続きをすることなく、気軽にリモートワークができていますね。もちろん、会社で決められたセキュリティルールを厳守して使用することが大前提です。
最新の技術トレンドに触れながら仕事ができることです。ここ数年間で半導体製造の技術は格段に進歩し、微細化や多層化も急速に進みました。そのなかで、ホットプレートに求められる性能は高度かつ多様になりつつあります。
競合他社との競争も加速していますので、最新の技術を取り込みながら製品の価値を高め続けなければいけません。こうした環境で自らの技術力を高めながら働けるのは、技術者として喜びを感じます。
また、その技術力の価値を実感しやすい環境があることも大きいです。例えばKELKのホットプレートは、競合製品に比べて安価な点が優位性になっています。なぜ製品を安価に提供できるのかというと、ローコストの材料を高い技術力で加工し、高性能を実現しているからです。つまり私たちの技術力が製品の価値に直結しているので、自らの存在意義を実感しやすく、それが仕事のやりがいにもつながっています。
そうですね。私はもう10数年ほど技術者として働いていますが、ひとつの技術的課題を乗り越えるために、今なお熱くなって仕事に向き合えるのは幸せなことだと思います。
例として、品質改善プロジェクトでの出来事を紹介します。このプロジェクトでは歩留まり率向上のため、さまざまな技術的課題を検討し改善策を模索していますが、そのなかで長年解決できていない課題がありました。
一部からは「設計の解がないのではないか」と声が上がっていたのですが、だからこそ「解決してやる!」と熱くなりましたね。気がつくと、何時間も試験データや、部品図面に向き合い、時間を忘れるほど熱中して検討していました。
私は2024年から主任技師(管理職待遇)という役職に就きましたが、KELKは管理職になっても技術者として一線で働ける環境です。今後はマネジメントや後進の育成にも力を入れていくつもりですが、いち技術者として課題に向き合っているときのやりがいは格別ですね。
KELKはあたたかで穏やかな雰囲気の人が多い会社だと感じています。組織としても、上下関係を重んじる文化はほとんどありません。私の所属部署に経験者採用者が多いこともあり、先輩・後輩をさほど意識せず、お互いに敬意を持ってコミュニケーションをとっています。
また、部門間の連携もとてもスムーズです。製造業はチームワークが重要で、何か問題が発生したときには部門を超えて連携し、解決を図らなければいけません。しかし実際には、部門間での協力を怠ったり、責任を押し付けあったりすることもゼロではないんです。
しかし、KELKに関してはそうした争いがなく、他部門に積極的に協力するのが当たり前。何か問題が発生した際には、即日会議を行って解決に向けて動き出します。このチームワークにはいつも驚かされますね。
リモートワークやフレックスタイム制度が利用しやすい雰囲気なので、日頃から働きやすさを感じています。子どもがいると、家族の体調不良などの事情でどうしても出勤できなかったり、出社が遅れたりすることがあるのですが、事前に連絡さえすれば上司にいつも快く承諾してもらえます。私はもちろん、家族にも配慮してくれる社風にはいつも助けられています。
管理職に昇格したばかりなので、これからマネージャーとしての業務にも力を入れていきたいです。特に注力したいのが、技術の継承と発展です。KELKには長年蓄積した技術やノウハウが息づいていますし、私にもこれまでに身につけた知識が数多くあります。それを若い世代にいかに伝えていくかが目下の課題ですね。 技術が継承されれば、新たな製品が生まれる原動力になるでしょうし、組織力の強化にもつながるはずです。私もさらに経験を積みながら後進を育成し、KELKを熱く盛り上げていきたいと思っています。
KELKは歴史の長い会社ですが、風通しが良く、最近では組織の若返りも進んでいます。これから入社する方もスムーズに組織になじめるのではないでしょうか。私自身、一緒に働く仲間が増えたらとても嬉しいので、「KELKの未来を熱くしたい!」という方をお待ちしています。
ボルダリング。仕事脳から気分転換できる息抜きになっています。一緒にプレーしてくれる仲間も募集中です!
食堂です。入社して少し経ってから食堂を立ち寄ったとき、メニューの多彩さとヘルシーさに驚きました。それ以来、毎日のように利用するようになり、とても重宝しています。ぜひ食堂に寄ってみてください!