素子事業や熱電発電事業を展開するKELK。その主力製品として挙げられるのが、サーモ・モジュール(ペルチェ素子)です。光通信の進化に不可欠であり、年々微小化が進むこの製品は、どのような環境下で生み出されているのでしょうか。
2020年に新卒入社して以来、サーモ・モジュールの設計・開発に携わってきたモジュール開発部 設計グループの久保山瑛哲さんに、日々の業務内容やKELKで働くやりがい、ものづくりに込める思いなどについて聞きました。
大学では工学部に所属して材料工学を専攻し、熱電材料や熱伝導に関する研究を行っていました。社会に出てからも、学生時代の研究を生かした仕事をしたいと思い、熱電関連企業での就職を考えていましたね。
KELKを知ったのは、所属していた研究室の先輩から「熱電発電事業に携わるなら、KELKがよいと思うよ」と聞いたのがきっかけです。それから会社に関する情報を集めてみたところ、KELKが世界最高の変換効率を持った高性能・高品質の熱電変換材料を提供しているとわかりました。
最高級の製品を扱っているということは、この業界をリードしている会社だともいえます。そんな会社で働いてみたいと思って志望しました。
加えて印象的だったのが、面接時の雰囲気がとても和やかだったことです。面接官の方々は、緊張していた私にとてもあたたかく接してくれました。就職先を決めるなかでは、一緒に働く人たちの人柄も重視していましたので、こんな人たちと一緒に働きたいと思ったことも入社理由のひとつです。
入社から一貫して、ペルチェ効果を活用したサーモ・モジュールの設計を行っています。光通信に不可欠な光トランシーバーを製造販売する企業などに向けて、カスタムメイドの製品を提供しながら、デザインレビュー、設計やプロセスの変更対応、特許の調査や出願など幅広く行っています。
また、最新トレンドを追うために国内外の展示会に参加したり、同じ業界の技術者同士で情報交換を行ったりと、常に新しい情報を取り入れることも大切な業務のひとつです。
KELKで製造するサーモ・モジュールは主に、光通信の分野で活用されています。自宅で光回線を引いている場合、基地局と自宅の間のどこかにサーモ・モジュールが取り入れられているはずです。
光通信ではレーザーダイオードの光を利用することで通信しています。この光は温度によって波長が変わってしまうため、温度を一定に保つ必要があります。サーモ・モジュールはそのような製品に使用されています。
設計・開発職は黙々と机に向かっている印象があるかもしれませんが、同じチームのメンバーとは日常的によくコミュニケーションを取っています。先輩が近くで仕事をしていることも多いため、何か話したいことや困ったことがあったときにも声をかけやすいですね。ひとりで業務を進めるのではなく、気軽に相談しながら働ける環境です。
定期的に実施される会議では、他のメンバーからアドバイスをもらう機会があります。それぞれの知見や過去の失敗経験などを共有してもらえるので、今後起きる可能性があるエラーを予測できる場にもなっています。「こちらの方向性で検討すれば大丈夫」「この検討方針はやめておいたほうがよさそう」などと、先手を打って考えられるのでありがたいですし、学びの多い時間になっています。
やりがいは、製品を最初から設計できる環境があり、自分が設計したものが世界中に届くことです。私が所属している部署では、一つの製品の設計をほぼ一人で担当します。通常の製品設計では複数人で分担して業務を進めていくことが多いと思いますが、若手のうちからひとつの製品に向き合って主体的に設計できるのは、技術者として働く上で大きな魅力だと感じています。
加えて、KELKのサーモ・モジュールは世界中のさまざまな場所で活用されていますから、自分が生み出した製品が広く役立っているという手応えもありますね。
ふたつ挙げたいと思います。ひとつは、お客様から「この部品をぜひKELKで作ってもらいたいんです」とご相談いただくときです。お客様がKELKを信頼してくださっていることが伝わってきて、とても嬉しくなります。
もうひとつは、ひとつの製品を完成させた瞬間です。製品を設計・開発する際には、お客様のフィードバックをいただきながら、修正や改善を何度も重ねていきます。まるで、お客様とKELKとで“バトン”をつないでいるような感覚です。こうした工程を経て製品が完成した瞬間は毎回印象的で、今でもよく覚えていますね。
KELKのメンバーは、穏やかな人が多いと思います。質問をしたときも丁寧に答えてくれたりと、穏やかで協力的な人が多いので、コミュニケーションが取りやすいです。
人のあたたかさを感じたのは、仕事のフォローをしてもらったときです。何もわからないところから業務を始めたので、さまざまな失敗を経験しましたが、そのたびに先輩や同僚に助けてもらいました。何かあったときには助け船を出してもらえる安心感があり、とても心強いです。
私は「熱のエキスパート」になりたいと思っています。熱の移動する現象としては伝熱、対流熱および輻射熱がありますが、これらを体系的に理解し、実践に応用できるようなスペシャリストをめざしています。
最先端の情報を取り入れながら「この分野だったら任せて!」と言えるような存在になりたいですね。そして、こうした知識と技術を駆使して、社会により貢献できるものづくりに携わりたいです。
半導体業界は世界的にさらなる発展が期待できますが、通信量が増えているがゆえに「通信速度が遅くなる」という課題を抱えています。これを解消するために、より大容量のデータを通信できる製品が求められています。データ量が大きくなると製品の発熱量も大きくなるので、サーモ・モジュールが使用される場面は増えていくと予想しています。
このようなサーモ・モジュール製品の設計・開発に携わることで、社会インフラの高速化に貢献し、“未来を熱く”していきたいと考えています。
「頼りになる存在」でありたいです。特に私は「部品を動かすと温度がどう変化するのか」などのシミュレーションに関する操作や設定が得意なので、この分野で困ったときにはぜひ私に聞いてほしいですね。
KELKは「みんなで進んでいこう」というマインドに溢れている会社です。もしKELKに興味を持っていただけたなら、ぜひ飛び込んできてください。共によい製品を作っていきましょう。
果実酒作りが趣味です。初夏になると通販やスーパーで梅を買って、梅酒を作っています。今はまだ熟成中なので、飲めるようになるのを今か今かと楽しみに待っています。
部活や同好会の活動がさかんな点です。私は登山部とマラソン部に入っています。どちらも年に数回活動があり、身体を動かすよい機会になっています。興味・関心のある活動に、自分のペースに合わせて参加できるのが楽しいですね。